坐骨直腸窩tailgut cystの1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Tailgut Cyst in the Ischiorectal Fossa—A Case Report—
  • 症例 坐骨直腸窩tailgut cystの1例
  • ショウレイ ザコツ チョクチョウカtailgut cyst ノ 1レイ

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説明

<p>Tailgut cystは胎生初期に一時的に出現する尾腸(tailgut)が遺残した稀少な疾患であり,好発部位は仙骨前面とされている.今回,坐骨直腸窩に発生したtailgut cystに対して経会陰的に切除した1例を経験したので報告する.</p><p>症例は74歳の女性で,胆石症に対して,胆嚢摘出術を行う際に撮影した腹部CTにて直腸右側に約40mmの腫瘤影を指摘された.MRIにて坐骨直腸窩に存在するT2で高信号を示す多房性の嚢胞性病変を確認し,tailgut cystの診断となり,手術の方針となった.Jack knife位による経会陰的アプローチで,尾骨および一部肛門挙筋を合併切除しつつ,腫瘍を摘出した.術中腫瘍内容物の露出は認めなかった.病理診断の結果,切除検体は36×35mmの内腔に粘液を伴う境界明瞭な多房性嚢胞性病変であった.嚢胞壁は重層扁平上皮や円柱上皮に覆われており,tailgut cystの診断となった.悪性所見はなく,切除断端は陰性であった.術後は大きな合併症無く経過し,第5病日に退院し,13カ月経過するも無再発生存中である.</p>

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参考文献 (12)*注記

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