大学生における過剰適応と怒り感情,及びキレ衝動との関係について

書誌事項

タイトル別名
  • The Relationship between Anger, Over-Adaptation, and Impulsive Aggression with Regard to University Students
  • ダイガクセイ ニ オケル カジョウ テキオウ ト イカリ カンジョウ,オヨビ キレ ショウドウ ト ノ カンケイ ニ ツイテ

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抄録

<p>本研究では,(1)過剰適応を構成する因子が,怒り感情の表出を抑え,コントロールしている,(2)表出されない怒り感情が内側に溜められることで,キレ衝動を高めるという2つの仮説検証を行った。そのために,大学生を対象とした質問紙調査を実施した。</p><p>分析は,共分散構造分析を行った(N=358)。その結果,過剰適応を構成する因子の中でも“自己犠牲”や“感情抑制”は,“怒り感情抑制”からキレ衝動への直接的な正の影響を示した。また,他者との関わりを重視する“人からよく思われようとする”因子と,“劣等意識”は“内的怒り感情”からキレ衝動へ有意な正の影響を示した。</p><p>このことから,過剰適応者は一見して怒り感情が抑制されていながらも,その内面では,他者には見せない怒りの感情を溜めている可能性があり,それによりキレ衝動を強めることになることが示唆された。</p>

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