【放送のオーラル・ヒストリー】 「6人目のドリフ」は,僕らだった

書誌事項

タイトル別名
  • Oral History of Broadcasting “The Sixth Drifter” Was Us
  • 放送のオーラル・ヒストリー 「6人目のドリフ」は,僕らだった : テレビ美術が輝いた『8時だョ!全員集合』
  • ホウソウ ノ オーラル ・ ヒストリー 「 6ニンメ ノ ドリフ 」 ワ,ボク ラ ダッタ : テレビ ビジュツ ガ カガヤイタ 『 8ジ ダ ョ!ゼンイン シュウゴウ 』
  • TV Art Sparkled in a Comic–Variety Show Hachiji da yo! Zen'in Shugo
  • テレビ美術が輝いた『8時だヨ!全員集合』

この論文をさがす

抄録

「オーラル・ヒストリー」の方法論を用いて、数多くの関係者の証言をもとに「テレビ美術」についての論考を発表してきたが、今回は1970〜80年代にかけて一世を風靡したTBS系列のバラエティー『8時だヨ!全員集合』の美術に着目する。当時絶大な人気のあったザ・ドリフターズによるコントがメインを占めたこの番組において、リアルかつ大掛かりなセットや独創的な小道具など、「美術」は大きな役割を果たしていた。 本稿では、コントセットのデザインをほぼ一人で担当した山田満郎デザイナーをはじめ、当時の美術スタッフ、演出スタッフの証言から、番組制作過程における新たな事実の解明とともに、多くの人々が関わった現場の空気感、息遣いを伝える。番組制作の1週間を時系列に沿って追うなかで、コントのネタ作りに貢献した美術スタッフの絶妙なサポート、コントを最大級に面白くするために、本番間近まで入る修正に対応したスタッフの尽力、生放送当日、舞台上でワンチームとなって奮戦した全スタッフの熱情が、証言から明らかになっていく。ドリフのメンバーは5人だったが、6人目のドリフは、番組の主役ともなった「美術」であり、関わる全てのスタッフだった。テレビの黄金期、体を張った人々の「熱情」の記録が、100年を迎えようとする放送の未来を切り拓く手がかりとなることを願う。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ