高カルシウム血症を伴った慢性リンパ性白血病により興味ある心電図変化を示した1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of interesting electrocardiographic change due to chronic lymphocytic leukemia with hypercalcemia

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説明

<p> 症例は87歳女性.主訴は労作時呼吸困難,全身倦怠感であった.20XX−2年に慢性リンパ性白血病の診断となったが,自覚症状に乏しいため経過観察となっていた.20XX年7月に近医循環器科で心雑音を指摘され7月19日当科受診となった.閉塞性肥大型心筋症の診断で治療を開始したが,症状は増悪し血清Ca値が17.9 mg/dLまで上昇した.慢性リンパ性白血病の急性増悪と考え,ゾレドロン酸,カルシトニン製剤,ステロイドを投与し血清Ca値は12.9 mg/dLまで低下したが,28日に悪液質で死亡した.本症例は,慢性リンパ性白血病細胞から産生されたPTHrPによる腫瘍随伴体液性高カルシウム血症(HHM)と考えられ,劇的な経過中の心電図変化が記録できた.高度の高Ca血症では,一見,急性前壁中隔梗塞と見誤るQT(QoT,QaT)短縮によるST上昇,陰性T波,T波減高が認められ,特徴的所見と考えられたので文献的考察を加えて報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 52 (3), 299-304, 2020-03-15

    公益財団法人 日本心臓財団

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