頸椎前縦靭帯骨化により気道狭窄を呈した1例

  • 島ノ江 研斗
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科
  • 河村 一郎
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科
  • 冨永 博之
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科
  • 八尋 雄平
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科
  • 俵積田 裕紀
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科
  • 谷口 昇
    鹿児島大学大学院運動機能修復学講座整形外科

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説明

<p>【背景】頸椎前縦靭帯骨化はびまん性脊椎骨増殖症の頸椎病変として知られているが本症によって気道狭窄を生じた報告は稀である.【症例】64歳の男性.当院受診1年前より嚥下障害を自覚.3週前より特に誘因なく喘鳴,呼吸困難認め,増悪したため,当院救急部受診となる.同日気管内挿管施行後,上気道狭窄の診断にて気管切開施行.当初上咽頭腫瘍疑われ,耳鼻咽喉科にて精査するも,喉咽頭領域の腫瘍性病変やクループ等の病変は認めなかった.CTで頸椎前縦靭帯骨化による気道狭窄,嚥下造影にて著明な気管内への造影剤流入認めたため,頸椎前方アプローチによる骨化巣切除施行.手術4日後に気管カニューレ抜去,経口摂取可能となり,その後も呼吸苦,嚥下困難も消失し,自宅退院可能となった.【まとめ】有症状の本疾患に対し,手術療法は有用な治療である.本疾患は稀な病態であるが,上気道狭窄を来した疾患においての鑑別疾患の1つとすべきである.</p>

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