介護療養型医療施設におけるIncontinence-Associated Dermatitis(IAD)の有病率および 看護ケア、組織体制との関連

  • 市川 佳映
    常葉大学健康科学部看護学科
  • 須釜 淳子
    金沢大学大学院医学系研究科保健学系看護科学領域・臨床実践学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Prevalence of incontinence-associated dermatitis and its relationship to nursing care and institutional structure in long-term medical facilities

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説明

<p> 目的: Incontinence-associated dermatitis (以下IAD)は尿や便の接触により会陰部や生殖器周辺に発生する皮膚炎であり、失禁を有する高齢者において問題となっている。そこで、IAD の保有や有病率に影響を与える質指標を検討するために、介護療養型医療施設にてIAD 有病率、組織体制および看護ケアの実態について調査した。方法:A 県にて介護療養型医療施設として登録されているすべての病院の各病棟を対象とし、自記式質問紙による調査を行った。調査項目は、Donabedian による医療の質評価モデルの概念に基づき、「構造」については組織体制、「過程」については看護ケア、「結果」についてはIAD 保有者数をあげた。なお本研究は静岡県立大学研究倫理審査委員会の承認を得て行われた。結果:平均有病率は5.9%であった。IAD 保有患者の有無と構造および過程要件との関係を検討した結果、「陰部洗浄の方法:微温湯と洗浄剤使用」のみ有意な関連を認めた(オッズ比:0.134,95%信頼区間:0.025-0.707,P=0.018)。結論:本研究により、介護療養型医療施設におけるIAD 有病率が5.9%であり、微温湯と洗浄剤を使用することによりIAD 保有者が存在する確率が有意に減少することが明らかとなった。スキンケアがIAD の発生に寄与している可能性が本研究により示唆された。</p>

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