多発性骨髄腫の病勢進行における制御性T細胞の果たす役割

  • 河野 和
    熊本大学大学院生命科学研究部 血液・膠原病・感染症内科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • The role of regulatory T cells in multiple myeloma progression
  • タハツセイ コツズイシュ ノ ビョウセイ シンコウ ニ オケル セイギョセイ Tサイボウ ノ ハタス ヤクワリ

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抄録

<p>制御性T細胞(Treg)は転写因子FOXP3の発現が特徴的であるエフェクターT細胞や抗原提示細胞の機能を抑制するCD4+T細胞である。近年,多発性骨髄腫患者において骨髄中のTregが骨髄腫の病勢に関与していることを示唆する報告がなされている。しかしながら,骨髄腫の病勢におけるTregの関与については不明な点が多い。今回,我々のVk*MYC移植モデルを用いた骨髄中のTreg解析研究を通じて,骨髄腫の病態におけるTregの役割を解説する。骨髄中のTregはマウス骨髄腫の早期の段階から増加し,Treg除去マウスでは有意に骨髄腫の進展抑制を認めた。骨髄腫関連TregはI型インターフェロン(IFN)経路が活性化しており,I型IFN受容体抗体やI型IFN受容体ノックアウトマウスのTregを用いた実験系よりI型IFNは骨髄腫関連Tregの増殖・活性化に重要であることが明らかとなった。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 62 (4), 299-304, 2021

    一般社団法人 日本血液学会

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