道徳科におけるエピソード評価の可能性 ―「資質・能力」のイメージとの関連において―

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タイトル別名
  • ドウトクカ ニ オケル エピソード ヒョウカ ノ カノウセイ : 「 シシツ ・ ノウリョク 」 ノ イメージ ト ノ カンレン ニ オイテ

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抄録

<p>特別の教科「道徳」の評価は、数値によらないものとされ、内容項目や1時間の学習活動の評価ではなく、おおくくりな評価としてすでに小学校から始まっている。学習指導要領では、資質・能力を育むために、「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体的に学習に取組む態度」の3つの柱を掲げており、道徳科の学習活動に着目した捉え方として、資質・能力の三つの柱に分節することはできないものの、可能な部分を重視するといった議論がなされた。では、道徳科において、実際に授業を行う教員は、生徒の道徳性を育む「道徳の時間」に、学習活動を通してどのような資質・能力を育みたいと考えているのだろうか。そこで、質問紙を作成し、生徒の道徳性に係るエピソードを持つ教員がどのような資質・能力をイメージしているのかを調査をして、テキストマイニング(分析ソフト『KH Coder』」)で分析したところ、3つのことが明らかになった。(1) 授業者は、道徳の時間に目標を達成するために、身に付けさせたい力、育てたい力(資質・能力)をイメージしていること。(2) 生徒の道徳性に係るエピソードを持つ群は、道徳的価値とともに、生徒に身に付けさせたい力や育みたい力(資質・能力)をイメージもしくは実践していること。(3) 年代別にみると、「20代~30代」群より「40代~50代」群に出現した語彙数が多く、授業者の経験年数が多いほど、授業に対する目標を設定し、生徒の道徳性に係るエピソードを見取る力があること。</p>

収録刊行物

  • 道徳と教育

    道徳と教育 337 (0), 15-25, 2019

    日本道徳教育学会

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