国内オオムギ品種・系統の越冬性とフルクタン含量およびフルクタン代謝酵素遺伝子多型の関係

  • 中田 克
    農研機構中央農業研究センター 現:農研機構九州沖縄農業研究センター
  • 関 昌子
    農研機構中央農業研究センター
  • 青木 秀之
    農研機構中央農業研究センター
  • 長嶺 敬
    農研機構中央農業研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Relationships among wintering ability, fructan content, and allelic variation of fructan metabolic enzyme genes in Japanese barley cultivars
  • コクナイ オオムギ ヒンシュ ・ ケイトウ ノ エットウセイ ト フルクタン ガンリョウ オヨビ フルクタン タイシャ コウソ イデンシ タケイ ノ カンケイ

この論文をさがす

抄録

<p>国内の多様なオオムギ計105品種・系統を用いて越冬性とフルクタン含量およびフルクタン代謝酵素遺伝子多型の関係を調べた.越冬性および越冬前のフルクタン含量は寒冷地育成の品種・系統で高く,暖地・温暖地育成の品種・系統で低い傾向があった.5つのフルクタン代謝酵素遺伝子は塩基配列多型のパターンから,それぞれ6から10の遺伝子型に分類された.5つの遺伝子の遺伝子型の組み合わせが同じ品種・系統をグループ化し,越冬性およびフルクタン含量の平均値をグループ間で比較したところ,越冬前の茎葉のフルクタン含量が高いグループほど越冬性が優れており,特に茎部のフルクタン含量と越冬性の相関が高かった.最も耐雪性が優れるグループ群は特徴的な遺伝子型の6-SFT遺伝子を有しており,その遺伝子型は他のグループには見られなかった.また,1-FEHの遺伝子型により越冬性が高いグループ群,中程度のグループ群,低いグループ群に分けられ,供試した二条オオムギの1-FEH遺伝子は全て越冬性が低い遺伝子型であった.そこで,越冬性が最も高いグループの6-SFTの遺伝子型,1-FEHの各遺伝子型を識別するdCAPSマーカーを開発した.</p>

収録刊行物

  • 育種学研究

    育種学研究 advpub (0), 28-36, 2021

    日本育種学会

参考文献 (22)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ