SOX療法による術前補助化学療法を施行した高度リンパ節転移を伴う切除可能進行胃癌の検討

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  • SOX Neoadjuvant Chemotherapy Followed by Surgery for Resectable Advanced Gastric Cancer with Multiple Lymph-node Metastasis

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<p>高度リンパ節転移を伴う進行胃癌に対する術前補助化学療法(neoadjuvant chemotherapy,以下NAC)は有効な治療法の一つである.対象は2015年より2019年までに当院で経験した術前にS-1,オキサリプラチン併用療法(SOX療法)を施行した高度リンパ節転移を伴う切除可能cStage Ⅲ進行胃癌の8例である.結果は,SOX療法施行後のRECIST version1.1基準による臨床的評価ではPRが6例,SDが2例でPDは認めなかった.病理組織学的病期はⅠBが3例,ⅡAが1例,ⅡBが2例,ⅢAが2例であり,downstagingになった症例は8例中7例(87.5%)であった.病理組織学的効果はGrade 1aが3例,Grade 1bが2例,Grade 2aが2例,Grade 2bが1例でGrade 3の症例はなかった.CTCAE基準によるNACの副作用はGrade 1の貧血,嘔気,末梢神経障害が1例ずつ,Grade 2の貧血が2例で,Grade 3以上の副作用は認めなかった.術式はD2郭清を伴う幽門側胃切術が3例,胃全摘術が5例であった.術後合併症は認められず,全例無再発生存中である.</p><p>今後,SOX療法によるNACが高度リンパ節転移を伴う切除可能Stage Ⅲ進行胃癌に対して治療の選択肢の一つになる可能性があると思われた.</p>

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