黒色の色調変化を伴った巨大な臍ヘルニア嵌頓の1救命例

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タイトル別名
  • Case Report of a Huge Umbilical Hernia with Blackening of the Skin
  • コクショク ノ シキチョウ ヘンカ オ トモナッタ キョダイ ナ セイヘルニアカントン ノ 1 キュウメイレイ

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抄録

<p>今回,われわれは黒色の皮膚色調変化をきたした巨大な臍ヘルニア嵌頓の1救命例を経験したため報告する。症例は75歳女性,来院前日より腹壁の膨隆と圧痛を自覚し,翌日家族が同所見に気付き救急要請した。収容時,黒色に変色した皮膚と小児頭大に膨隆し著明な圧痛を伴う腹部所見およびショックバイタルから,何らかの腹壁の出血による腹壁血種および出血性ショックの疑いで搬送された。造影CTで広範囲の小腸壊死を伴う巨大な臍ヘルニア嵌頓の診断となり,同日緊急手術を施行した。空腸30cmと回腸60cmの2ヵ所が嵌頓壊死しており,それぞれを部分切除し吻合した。ヘルニア囊と黒色の皮膚も壊死を疑い全切除し,ヘルニア門は縫合閉鎖した。術後経過合併症なく第10病日に退院となった。本症例のように皮膚の色調変化が現れた症例ほど腸管切除率が高く,発症からの時間のみでなく,皮膚の色調変化に注目することも重要であることが示唆された。</p>

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