Western blotting改法を用いたペプチドホルモンの定量検出―ペプチドホルモンをメンブレンに保持するには?―

  • 沖田 直之
    山陽小野田市立山口東京理科大学薬学部病態生化学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Quantitative analysis of peptide hormones by the improved Western blotting—A strategy for retention of peptides on a blotted membrane—

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抄録

<p>ペプチドホルモンの定量では,ELISA法を用いるのが一般的であるが,数値データ以外の情報が得られないため,特に夾雑サンプルを扱う場合に特異性に問題が生じる場合がある.この観点から考えると,電気泳動によるタンパク質分離と免疫学的検出の性質を併せもったWestern blotting(WB)による定量結果の確認は有効であると考えられる.その一方で,一般的なWBにおいて,分子量数千のペプチドホルモンを扱うことはメンブレンへの保持の観点などから難しいとされてきた.著者らのグループは,insulinを用いて,WBへの適応の可否を実際に検討し,WBによる半定量解析における障害となる諸問題(シグナルバンドの歪み及びWB作業中のPVDFメンブレンからのinsulinの剥離)を見出し,その解決に成功した.本論文では,WB改法の着想,改変プロトコールのポイント,本改法に関するQ&Aの3点について紹介する.</p>

収録刊行物

  • 電気泳動

    電気泳動 65 (1), 17-21, 2021

    日本電気泳動学会

参考文献 (11)*注記

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