下咽頭癌重複癌症例の治療選択と成績

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タイトル別名
  • Clinical analysis of hypopharyngeal cancer with another primary, especially esophageal double cancer
  • —特に食道重複癌を中心に—

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説明

下咽頭癌症例では特に食道癌との重複が多い。同時重複癌症例では治療の選択が難しく,先行・後続治療が予定通り行えない場合もある。そこで2011–2014年の4年間で治療を行った下咽頭癌152例を検討した。重複癌は84例(55%)で認め,食道癌が最も多かった。5年全生存率(OS)は下咽頭癌単独症例54%,下咽頭食道癌重複例80%と有意差をもって重複症例が良好で,上部消化管内視鏡検査で下咽頭癌が早期で発見されたことが理由と考えられた。同時重複癌症例のOSは,下咽頭–食道どちらも早期癌症例で100%,進行癌症例で63%,早期–進行癌で75%,進行–早期癌で56%であった。早期食道癌が後続治療で,早期に治療が開始できない場合,先行治療で化学療法を行うべきと考えられた。下咽頭早期癌が後続治療の場合,先行治療の化学療法を行い不明瞭化しても,厳重な経過観察もしくは治療を行うべきと考えられた。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 47 (1), 59-64, 2021

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (12)*注記

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