低ナトリウム血症と心筋炎を呈した成人スチル病の 1 例

DOI
  • 神谷 智
    地方独立行政法人市立東大阪医療センター皮膚科
  • 久米 美輝
    地方独立行政法人市立東大阪医療センター皮膚科
  • 金子 雄
    地方独立行政法人市立東大阪医療センター免疫内科
  • 宇田 裕史
    地方独立行政法人市立東大阪医療センター免疫内科
  • 猿喰 浩子
    地方独立行政法人市立東大阪医療センター皮膚科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Adult-onset Still’s Disease with Hyponatremia and Myocarditis

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抄録

<p>29歳,男性。初診 4 日前から発熱あり。アセトアミノフェンを数日間内服後,初診 1 日前より全身に発疹が出現した。初診時,体温39.5度,体幹部・四肢に小豆大の淡い紅斑が多発していた。皮膚病理組織では表皮角化細胞の個細胞壊死,表皮基底部の空胞変性などを認めた。薬疹と考え,ステロイド外用などにて加療し皮疹は軽快するも,発熱,炎症反応高値が持続。ウイルス感染症は血液検査にて否定的であった。経過中,低ナトリウム血症,心筋炎,腸閉塞を発症。 1 週間以上続く39度以上の発熱,リンパ節腫脹,咽頭痛,血清フェリチン値著増などもあり,成人スチル病と診断した。ステロイドの全身投与により軽快した。自験例の皮疹は薬疹に近いと考えたが,皮膚病理組織は成人スチル病と矛盾のない所見であった。成人スチル病と薬疹が合併していた可能性や,成人スチル病の症状が薬剤で増強していた可能性を考えた。 (皮膚の科学,20 : 18-23, 2021)</p>

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 20 (1), 18-23, 2021

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

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