蛇行河川内での大型植物化石群の堆積過程

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タイトル別名
  • Sedimentary Process of Plant Macrofossil Assemblages in a Meandering Channel
  • ダコウ カセンナイ デ ノ オオガタ ショクブツ カセキグン ノ タイセキ カ

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千葉県茂原市の国府関遺跡で,弥生時代終末から古墳時代初頭に埋積した蛇行河111の横断面を観察し,12の大型植物化石群の種構成,化石の形状と大きさ,堆積構造と堆積物の粒度組成を比較検討し,大型植物化石群の堆積過程を考察した。大型植物化石群は,攻撃斜面側へと蛇行河川が成長するに伴い側方付加することによって形成された細粒砂~極細粒砂主体の地層に含まれていた。河道内堆積物を構成する各単層は,下位の層の削剥面に始まる上方細粒化の堆積サイクルから構成されていた。単層の下部から中部への水流の営力低下にともなって,大型の種実類・木材片から葉や小型の種実類へと,堆積物にとりこまれる植物化石の形状と大きさが変化し,化石群の種構成が変化した。種実類サイズの平均とばらつきは,堆積物粒子の平均直径と淘汰度に対して正の相関があった。植物化石の運搬堆積様式を推定した結果,種実類は平均粒径1.5~2.0φ前後の中粒砂と挙動し,葡行ないし躍動様式によって運搬された可能性が考えられ,葉は主に平均3.1φ前後の細粒ないし極細粒砂と挙動し浮流様式により運搬された可能性が示された。植物化石群を構成する葉と種実類では種構成に大きな偏りが見られ,葉化石群はコナラ属アカガシ亜属を含む高木性の常緑広葉樹と針葉樹だけから構成される一方で,種実類は高木性の落葉広葉樹や低木が多く含まれていた。この原因として,高木性の常緑広葉樹と落葉広葉樹・低木間での器官の生産量の差が考えられた。

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