児童養護施設における非行化する女子の箱庭療法過程
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- 樋口 亜瑞佐
- 愛知教育大学
書誌事項
- タイトル別名
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- The Process of Sandplay Therapy in a Delinquent Girl at a Children’s Home
説明
<p>本研究では児童養護施設に入所した,実の母からの虐待を受けて育ち,非行・虞犯などの不適応問題を抱える思春期女子の心理療法過程を報告する。支援が困難とされた本事例では,非行化するクライエントが制作する箱庭の表現から内的状態を理解した。箱庭にセラピストの名前を記すことによって,クライエントは象徴的な死と再生を体験し,その後の生への決意を新たにすることを可能にした。本事例のように虐待を経験し,その後非行化して施設入所するケースの場合,不適応行動でしか葛藤を表現できない者もおり,箱庭療法はこうしたケースにとって大いに治療的意義をもつものだと言える。箱庭療法過程を通じて理解したことをチームにコンサルテーションしながら対応のコンセンサスを明らかにした本事例からは,施設のセラピストの可能性について新たな知見を得ることができたと考えられる。</p>
収録刊行物
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- 箱庭療法学研究
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箱庭療法学研究 33 (2), 39-50, 2020
日本箱庭療法学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390007050485784320
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- NII論文ID
- 130008057596
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- ISSN
- 2186117X
- 09163662
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可