プラットフォーム化の21世紀と新文明への兆し
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- 公文 俊平
- 多摩大学情報社会学研究所
抄録
今日の世界はいまだに、大きな国家と大きな企業が強い影響力を持つ「ビッグの20世紀」の遺産の中にある。他方、「プラットフォーム化の21世紀」への転換と呼べるような、社会変化の波を見て取ることもできる。ユーザのエンパワメント(支援)を促進するプラットフォーム化の動きは、今世紀に入り政治、経済、社会の全ての側面で一斉に進展している。この21世紀の新しい動きは20世紀の負の遺産を克服することに貢献しそうである。とりわけ社会面で生じている文化変容としての「ソーシャル化」が進展する中で、あらゆる人の利用できるコミュニケーション・プラットフォームが出現して、さまざまなソーシャルネットワーク・サービスが提供されていることは大きな希望である。同時に、それにかぶさる形で、さらに抜本的な変化の波が押し寄せている。「超知能」の出現をもたらす情報化の波がそれである。ソーシャル化に端を発した情報化は、今や、政治・経済面だけでなく、人類の社会生活の全てを一変させる勢いで、加速的に進展している。それは、人類に新たな進化のチャンスをもたらすと同時に、人類史上最大のリスクも伴っている。われわれはこの挑戦の意味を深く理解し、的確な対処に全力をあげなくてはならない。
収録刊行物
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- NIRAオピニオンペーパー
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NIRAオピニオンペーパー 17 (0), 1-4, 2015
公益財団法人 NIRA総合研究開発機構
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390007050485974528
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- NII論文ID
- 130008058360
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- ISSN
- 24362212
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用可