接触・発話を伴う対面時の呼気の可視化

  • 石井 慶子
    青山学院大学 理工学部 青山学院大学ジェロントロジー研究所
  • 大野 淑子
    青山学院大学ジェロントロジー研究所 山野美容芸術短期大学
  • 及川 麻衣子
    青山学院大学ジェロントロジー研究所 山野美容芸術短期大学
  • 大西 典子
    青山学院大学ジェロントロジー研究所 山野美容芸術短期大学

書誌事項

タイトル別名
  • Experimental visualization of expiratory diffusion under face-to-face situation with utterance

抄録

<p>新型コロナウイルスは無症状感染する特徴により爆発的に感染者数が増えている可能性が指摘されている.咳やくしゃみ,発話で発する飛沫のうち,2~3μm以下の微小粒子のもの(エアロゾル)は広範に拡散し,空中で数時間漂うと言われている.密集・密閉した環境での集団感染が多く報告されたこともあり,この原因と言われはじめたのが,エアロゾル感染である.現象を理解したうえで,適切な感染対策を行い,安心を示した上で接客を行うことが,社会の混乱を避けながら,経済停滞を防ぎ,生活の質を維持することに重要である.そこで,本研究ではマスクやフェイスシールドの有無による呼気エアロゾルの流れの可視化を行った.感染が問題となる呼気エアロゾルの粒形と,電子タバコの粒径が近いため,電子タバコの煙のレーザー散乱光をカメラで撮影した.マスクをすると,呼気エアロゾルは体の表面に滞留し,ゆっくりと体の表面に沿って上昇した.下を向いている場合,マスクをしていても,マスクの上下端から漏れ出した呼気エアロゾルが乱れながら下方に向かった.フェイスシールドには感染症予防に意味がないという話が広く認識されているが,フェイスシールドを着用すると,呼気エアロゾルが体の表面に滞留しやすくなり,暖められたエアロゾルが下に向かわず,上昇した.すなわち,介護や医療,美容関係者等が下方にいる人間に接近する場合,マスクとフェイスシールドをどちらもつけると,顧客に呼気エアロゾルを浴びせる量を効果的に低減させることができると考えられる.</p>

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参考文献 (11)*注記

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