対話的な理科授業を通した子どもの科学概念構築に関する教授論的研究

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タイトル別名
  • The Teaching Method of The Construction of Children's Scientific Ideas in a Dialogue-based Lessons of Science
  • タイワテキ ナ リカ ジュギョウ オ トオシタ コドモ ノ カガク ガイネン コウチク ニ カンスル キョウジュロンテキ ケンキュウ

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抄録

<p>近年,言語活動の充実は,今日的な教育課題となっている。それゆえに,子どもの対話を基本とした授業についての研究も多く見られるようになってきた。そこで,対話的な授業を通して科学概念構築を図るための教授理論の創出は,重要な責務となっている。本研究においては. Gergen.J.の「物語の構造」及びPalincsar.S.の「話合いでの教授行動」の概念を参照することで,ナラティブ・アプローチの立場から,理科における対話的な授業について議論した。発話プロトコルの分析の結果,以下の点について明らかとなった。(1)科学概念の構築がナラティブ・アプローチにより明らかにされたことで,「言語活動の充実」に対して,子どもの表現活動を生かした対話的な理科授業が有効であると確認できた。(2) ナラティブ・アプローチを援用する際, Gergen.J.の物語の満たしている特徴が,教授論的な視点として有効であり.対話的な授業におけるメルクマール(指標)となる。(3) 教師は,理科授業において科学概念構築が効率的に図られるように,子どもとの対話の中から,最適な教授行動を選択しながら,学習活動をコーデイネートしている。(4) Gergen.J.の物語に関する理論やPalincsar,S.による教授行動の理論が,授業分析の枠組みとして使用できる。</p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 51 (1), 51-62, 2010-07-07

    一般社団法人 日本理科教育学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (12)*注記

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