昆虫の飼育・観察が児童の意識へ及ぼす影響 : エンマコオロギとモンシロチョウについて

書誌事項

タイトル別名
  • The Influence of Breeding and Observing the Insects on Elementary School Student's Consciousness : Regarding the Emma Cricket "Teleogryllus emma" and the White Cabbage Butterfly "Pieris rapae crucivora"
  • コンチュウ ノ シイク ・ カンサツ ガ ジドウ ノ イシキ エ オヨボス エイキョウ : エンマコオロギ ト モンシロチョウ ニ ツイテ

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抄録

<p>これまで成長段階に「蛹のある昆虫」と「蛹のない昆虫」の両方を卵期から成虫期まで飼育・観察し,児童の意識の変容について議論するといった実証的な研究はみあたらなかった。そこで,本研究では,「蛹のない昆虫」としてエンマコオロギを選定し,「蛹のある昆虫」としてモンシロチョウを選定して教材とした。この2種の昆虫の飼育・観察を卵期から同時に始め,児童の発言・観察記録質問紙調査の結果を基に分析・考察した。その結果,エンマコオロギとモンシロチョウともに飼育・観察の過程で,児童の生きものに対する見方が変わったり,児童の意識が変容したりしたことが明らかになった。また,「愛情•愛着」と「学習意欲」のそれぞれにおいて,エンマコオロギとモンシロチョウの得点の変化の仕方に違いがみられ,飼育・観察をして得られる教育効果が必ずしも同じではないことが明らかになった。さらに,本研究で得られた知見を基にエンマコオロギの飼育・観察を行う意義について議論した。その結果,生物を愛護する態度を育てられること,児童が自らの意識の変容に気付くことが考えられた。</p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 52 (3), 77-87, 2012-03-02

    一般社団法人 日本理科教育学会

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