PCK(授業を前提とした教材の知識)を育成する教師教育プログラムの開発とその効果 : 「化学変化とイオン」を題材にして

書誌事項

タイトル別名
  • The Development of the Program to Promote Prospective Science Teachers' Pedagogical Content Knowledge and the Test of its Effectiveness : Through the Topic of Chemical Change and Ions
  • PCK(ジュギョウ オ ゼンテイ ト シタ キョウザイ ノ チシキ)オ イクセイ スル キョウシ キョウイク プログラム ノ カイハツ ト ソノ コウカ : 「 カガク ヘンカ ト イオン 」 オ ダイザイ ニ シテ

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抄録

<p>PCKの働いている中学校3年生用の授業とそれに関する情報提供を大学2年生に行うと,どのような効果があり,彼らがこれをどのように受け止めるか調べること,及びポスト・遅延テストをPCK測定用テストとして使用できるかどうかを評価することを目的とした。そのため,教えた経験のない大学2年生に,中学校3年生が学ぶイオンの学習について授業を行った。授業の内容は,中学校3年生に実際に行う探究ベースの授業と,その説明(この授業のねらい,この学習を支える学問的な背景についての知識〜高校・大学レベルの知識,協同学習,教材の提示の方法,ポートフォリオの使い方)からなる。データ収集では量的データと,質的データを収集した。量的データでは,①プレ・ポストテスト,遅延テストの比較(3つは同じ問題),②この授業を受けた学生,受けない学生の比較,③大学の化学の授業のテストとこの授業で用いたテスト結果の相関分析をおこなった。その結果,この内容は教えないと大学生でも良い点が取れない。大学の化学の授業との相関はあるが,それは低い。大学の化学で良い点が取れても,この授業のテストでは必ずしも良い点が取れるわけではない。質的データでは,授業後にアンケートと面接を行った。その結果,①すべての学生がPCKを育てる授業から,内容知識を豊富化させている。②この授業を通して,大学生は教え方を学んだとしているが,その内容は授業のために内容知識を子どもにわかるように翻訳する方法などであり,ショーマンの定義に相当するものを学生自ら発見している事が明らかになった。最後に開発したテストをラッシュモデルにより分析した。その結果,妥当性と信頼性が得られた。このテストは,中学校3年生にイオンを教えることについてのPCK測定用のテスト(特に概念の理解と指導略に関するPCK測定テスト)として使用できることを示唆している。</p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 53 (1), 105-121, 2012-07-17

    一般社団法人 日本理科教育学会

参考文献 (11)*注記

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