長石光ルミネッセンス(OSL)年代測定法を用いた穿入蛇行河川堆積物の年代推定:紀伊山地十津川の事例

  • 小形 学
    国立研究開発法人日本原子力研究開発機構核燃料・バックエンド研究開発部門東濃地科学センター地層科学研究部ネオテクトニクス研究グループ
  • 小松 哲也
    国立研究開発法人日本原子力研究開発機構核燃料・バックエンド研究開発部門東濃地科学センター地層科学研究部ネオテクトニクス研究グループ
  • 中西 利典
    国立研究開発法人日本原子力研究開発機構核燃料・バックエンド研究開発部門東濃地科学センター地層科学研究部ネオテクトニクス研究グループ

書誌事項

タイトル別名
  • Depositional age constraint on channel sediments in an incised meandering river using feldspar OSL dating : A case study in the Totsukawa River, Kii Mountains
  • チョウセキ ヒカリ ルミネッセンス(OSL)ネンダイ ソクテイホウ オ モチイタ センニュウダコウ カセン タイセキブツ ノ ネンダイ スイテイ : キイ サンチ トツガワ ノ ジレイ

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抄録

<p>紀伊山地十津川において125ka以前に離水したと考えられている環流旧河谷の流路堆積物に長石の光ルミネッセンス(OSL)年代測定を適用し,堆積年代の推定を試みた.線量応答曲線の定量限界値を飽和線量(∝飽和年代)とみなし,等価線量(∝OSL年代)の飽和率を求めたところ,測定試料の大半がOSL年代の飽和を示した.加えて,不完全ブリーチに起因するOSL年代の過大評価が疑われたため,堆積年代の決定はできなかった.一方で,OSL年代が飽和に達していない測定試料の飽和年代から,堆積年代は少なくとも280kaより若いと考えられた.流路堆積物の堆積年代を280~125kaとして算出した下刻速度は0.39~0.87mm/yrとなり,紀伊山地の削剥速度からみて矛盾のない値であった.このことは,不完全ブリーチの影響によって堆積年代の決定が困難な場合であっても,OSL年代測定により堆積年代の最大値を制約できる可能性があることを示す.</p>

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 60 (2), 27-41, 2021-06-01

    日本第四紀学会

参考文献 (33)*注記

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