アタヤル語群における「家」と「屋内」の関連

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タイトル別名
  • The relationship between “house” and “indoor” in Atayalic languages

抄録

20世紀初頭に収集されたアタヤル語群(アタヤル語とセデック語)の語彙集を基に,アタヤル祖語とセデック祖語における「家」と「屋内」の形式を再建し,その結果,それらが同源語でないことがわかった。アタヤル語の「家」は四つの形式(ŋasal, saliʔ, muyaw, imuu)が見られるが,ŋasalが本来の形式で,saliʔはこれから派生された。imuuはツォウ語からの借用形であり,muyawは本来「屋内」を表す語である。セデック祖語の「家」は*sapahで,「屋内」は*ruanである。セデック語の「内側にある」はtə-rumaというが,語根rumaはオーストロネシア祖語*Rumaq「家」の反映形だろう。幾つかの台湾オーストロネシア諸語では*Rumaqの反映形に接辞を附加することにより「屋内・内側」を派生するからである。

収録刊行物

  • 島嶼地域科学

    島嶼地域科学 2 (0), 139-162, 2021

    国立大学法人 琉球大学島嶼地域科学研究所

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390007226091156736
  • NII論文ID
    130008065344
  • DOI
    10.34526/jrsi.2.0_139
  • ISSN
    2435757X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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