一次補正式を用いた静電容量型 GS3 土壌水分センサーが測定した体積含水率の補正
書誌事項
- タイトル別名
-
- A liner offset equation of the volumetric water content that capacitance type GS3 soil moisture sensor measured
- イチジ ホセイシキ オ モチイタ セイデンヨウリョウガタ GS3 ドジョウ スイブン センサー ガ ソクテイ シタ タイセキ ガンスイリツ ノ ホセイ
この論文をさがす
抄録
Decagon 社が販売している ECH2O GS3 土壌水分センサー(GS3)は,農業用培地の土壌水分量,温度と電気伝導度を同時に測定する.農業用培地(ロックウール,バーミキュライト,ピートモス,イチゴ栽培用の土)と土壌(豊浦砂,黒ボク土,関東ローム土)の θM に対する GS3 の土壌水分量計算式(標準式,培地式)の正確度を評価した. Decagon 社の標準式,培地式の正確度は低く,土壌水分量測定にこれらの式をそのまま使用できなかった.標準式の正確度は,農業用培地では低かった.土壌では砂は全水分量域で高かった.黒ボク土,関東ローム土は θM < 0.10 m3 m−3 以下では高かったが,水分量が増加すると標準式は θM を過小評価して正確度は低かった.標準式の相対誤差は,農業用培地では 10 ∼ 14 % ,砂は 3 %,黒ボク土,関東ローム土は 14 % だった.培地式の正確度は,ロックウールとバーミキュライト、イチゴの土では低かった.ピートモスは θM < 0.20 m3 m−3 以下では高かったが,水分量が増加すると培地式は θM を過小評価して正確度は低くなった.培地式の相対誤差は 8 ∼ 10 % だった.標準式と培地式の正確度は,培地式が高かった.全試料の θM と標準式から求めた θST,培地式から求めた θAM を回帰すると,決定係数が 0.94 以上の精度の高い一次補正式が得られた.この一次補正式を使用すると相対誤差は 1 ∼ 5 % まで低下した.また,θST と θM には強い線形関係があった.そこで,省力化を目的として乾燥,中間,飽和の 3 点水分量試料で一次補正式(3 点式)を求めた.3 点式の相対誤差は 2 ∼ 6 % で,水分量が異なる試料が少なくても 3 点式の正確度は標準式より高かった.この結果は,GS3 で農業用培地や土壌の水分量を測定する前に,3 点法で θM と θST の関係を確認するだけで実用的で十分に正確度の高い土壌水分量計算式が得られることを意味する.GS3 を使用する場合は,3 点法を行うことを推奨する.
収録刊行物
-
- 土壌の物理性
-
土壌の物理性 130 (0), 19-25, 2015
土壌物理学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390007314778976640
-
- NII論文ID
- 130008067322
-
- NII書誌ID
- AN00347581
-
- ISSN
- 24352497
- 03876012
-
- NDL書誌ID
- 026682482
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可