直腸がん患者が認識する術後排便障害とセルフケアの実態

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タイトル別名
  • Actual conditions of postoperative dyschezia recognized by rectal cancer patients and self-care

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抄録

 本研究は,直腸がん手術後の患者が認識する排便障害とセルフケアの実態,主観的QOL (SEIQoL-DW) を明らかにし,排便障害に対するセルフケアと QOL向上のための看護介入への示唆を得ることを目的とした.対象者は88名(62.2 ± 9.3歳),intersphincteric resection (ISR)が33名,low anterior resection (LAR) が55名であった.SEIQoL-DW の index の平均は ISR が 66.7 ± 15.3,LAR が 63.8 ± 14.8 で有意差はなかった.排便障害は,[排便回数が多い][排便回数が定まらない][薬の内服で排便がある][夜間の排便が多い][便失禁][肛門部痛]などの7 つにまとめられ,[排便回数が定まらない][夜間の排便が多い][便失禁]は ISR の割合が有意に高かった.排便障害に対するセルフケアは,[肛門部を洗浄する][オムツやパットをあてる][食事量をコントロールする][排便をコントロールする]などの11にまとめられた.看護介入として,排便のコントロール,肛門部の局所ケア,食事の内容や摂取方法をチェックリストで詳細に把握し,医師・理学療法士と協働した個別の指導が重要であると考えた.

収録刊行物

  • 弘前医学

    弘前医学 62 (2-4), 186-198, 2011

    弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会

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