食物アレルゲン検出キットを用いた大量調理機器の洗浄終了確認の試み

DOI
  • 吉江 明広
    龍谷大学農学部食品栄養学科 龍谷大学大学院農学研究科食農科学専攻
  • 澤田 歩実
    龍谷大学大学院農学研究科食農科学専攻
  • 澤﨑 円香
    龍谷大学農学部食品栄養学科
  • 田邊 公一
    龍谷大学農学部食品栄養学科 龍谷大学大学院農学研究科食農科学専攻
  • 朝見 祐也
    龍谷大学農学部食品栄養学科 龍谷大学大学院農学研究科食農科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • An attempt to use immunochromatographic test kits for food allergens after washing large-scale heat cooking equipment

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抄録

本研究は、取り扱いの簡易な食物アレルゲン検出キットを大量調理機器の洗浄終了の確認に活用することを試みた。食物アレルゲン検出キットは「牛乳(カゼイン)」用および「小麦」用を用いた。大量調理機器は、ブレージングパンを一定条件の料理の調理後に、その料理を取り除いた状態のものを用いた。洗剤の有無で2種の洗浄を行い、食物アレルゲンの除去までに必要な洗浄水量の比較を行った。食物アレルゲンの種類による比較では、洗浄水量の差は認められなかった。一方、洗剤の有無の比較では、洗剤を用いることで有意に洗浄水量が少なく、洗剤による食物アレルゲン除去の効果を示すことができた。ブレージングパンに目視で汚れが確認できない状況だとしても、食物アレルゲン検出キットで「陽性」となることがあった。そのため、目視だけで洗浄の終了を判断することは、食物アレルゲン除去の観点から不十分であると確認された。大量調理機器の洗浄の際に食物アレルゲン検出キットを使用することは、食物アレルゲンの残存の確認に有効であり、さらに食物アレルゲン除去に必要な洗浄水量を算定し、洗浄方法の標準化に有用であると考えられた。以上より、大量調理機器の洗浄終了の確認において、食物アレルゲン検出キットの活用の可能性を示すことができた。

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