脱プラスチックを可能にする水性紙塗工用エマルションの開発

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タイトル別名
  • Development of Water Based Emulsion for Paper Coating that Achieve Reduction of Plastic Usage
  • ダツプラスチック オ カノウ ニ スル スイセイ カミトコウヨウ エマルション ノ カイハツ

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抄録

<p>海洋プラスチック問題がクローズアップされ,世界中で脱プラスチックの要求が高まっており,日本国内でもストローや菓子袋を始めとした製品の紙化が進められている。プラスチックの紙に対する優位性には液体や気体に対する耐性/バリア性や,薄膜化/接着性等に由来する加工適性が挙げられ,プラスチックと紙を複合化する手法としてポリエチレンラミネートを施した紙製品が広く使用されている。しかしながら,これらのラミネート紙はリサイクルに弊害があるため,欧州諸国を皮切りに,ラミネートから樹脂コートへの代替が求められている。ポリエチレンラミネートは,種々の耐性や加工適性に優れた塗膜物性を有し,食品包装紙等に使用されることから安全性に関しても極めて信頼度が高い材料である。当社では,プラスチックの紙化を目的として,ポリエチレンラミネートを代替可能な紙塗工用エマルションの開発に取り組んでおり,性能面においては耐水性,耐油性,水蒸気バリア性,ヒートシール性の4つについて着目し,安全性においてはアメリカのFDA(食品医薬品局)の21CFR(連邦規則集第21巻)に適合することに焦点を当てて検討を行ってきた。その中で,ポリエチレンラミネートと遜色無いレベルの性能を示す水性紙塗工用エマルションの開発に成功しており,本報では「FDA適合で海外インベントリの適用範囲が広いスチレンアクリルタイプのハイロス-X・NE-2260」,「FDAの用途制限が無く,ヒートシール性に特徴があるオールアクリルタイプのハイロス-X・PE-2273」,「水蒸気バリア性とヒートシール性を示す紙加工用塗工剤XP8812」について述べる。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 75 (5), 424-428, 2021

    紙パルプ技術協会

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