静岡県・外国人のための無料健康相談と検診会におけるCovid-19流行状況下の情報提供手段に関する検討

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  • シズオカケン ・ ガイコクジン ノ タメ ノ ムリョウ ケンコウ ソウダン ト ケンシンカイ ニ オケル Covid-19リュウ コウジョウキョウ カ ノ ジョウホウ テイキョウ シュダン ニ カンスル ケントウ

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抄録

<p>目的 定住する外国人へ向けた効果的な情報提供のあり方を検討することを目的とした。</p><p>方法 「外国人のための無料健康相談と検診会(以下,検診会)」における23年間の報告集に掲載されている内容をデータとし「受診者数」「検査項目」「広報活動」「この検診会をどこで知りましたか」の活動状況と情報提供手段を整理し単純集計した。さらに,静岡県中部地域における2020年Covid-19流行状況下(以下,Covid-19流行下)のオンライン相談会の報告と併せて効果的な情報提供のあり方を検討した。</p><p>結果 静岡県中部地域で毎年1回開催されている「検診会」23年間の受診者総数は2,112人であった。受診者数の平均値(±標準偏差)は91.8(±31.9)人,検査項目で血液検査実施無しの2009,2010,2020年の平均受診者数は49人であった。広報活動では,チラシの配布・送付を毎年実施していた。「この検診会をどこで知りましたか」の項目は,2001年から2019年の期間のみアンケートにて回答を得た(複数回答)。2001年~2019年の受診者総数1,794人の内,アンケート回答者1,640人から得た結果は,「友人」が最も多く860人(52.4%),「その他」453人(27.6%),「職場」196人(12.0%)「マスコミ」186人(11.3%)であった。「その他」の内訳は,家族,知人,先輩,学校,教会,市役所,インターネットなどであった。2020年11月Covid-19流行下では,QRコードと電話から申込みを受けオンライン相談会を実施した。相談会当日は,パソコンを使用したビデオ通話の準備と,要望がある場合は医療通訳者もオンライン参加できるよう準備した。その結果,相談者は4人であり,4人全員が双方向型ビデオ通話ではなく電話を用いた相談であった。</p><p>結論 検診会の23年間の活動について情報提供手段に着目し検討したところ,多くの受診者は友人などの周囲のコミュニティから情報を得ていたことが明らかになった。2020年11月,Covid-19流行下での健康相談会の開催を通して,これまで行ってきた紙媒体による情報提供手段から電子媒体やインターネットの利活用を検討する機会が生まれた。23年間の活動状況とオンライン相談会の状況を統合し検討した結果,今後在留外国人へ向けた効果的な情報提供のあり方として「友人・知人のつながり」と「ソーシャルメディア」を融合させることにより効果的で双方向のものに促進できる可能性が示唆された。</p>

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