腹腔鏡下coring-type resectionを行った非交通性副角子宮の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Laparoscopic coring-type resection of noncommunicating rudimentary uterine horn with functioning endometrium
  • フククウキョウ カ coring-type resection オ オコナッタ ヒコウツウセイ フクミズラキュウ ノ 1レイ

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抄録

<p>非交通性副角子宮は比較的まれな先天性子宮形態異常であり,子宮内膜症や子宮留血腫を合併し,月経困難症の原因となることがある.今回,対側子宮角との結合が強い非交通性副角子宮に対し,coring-type resectionを取り入れた腹腔鏡下副角子宮切除術を実施した.13歳女性で初経は11歳.12歳時から嘔吐,腹痛を間歇的に認めた.先天性食道閉鎖症(C型)と合指症に対する手術歴があり,他院小児外科にて精査を受けるも異常は指摘されなかった.その後,近医産婦人科を受診し双角子宮を指摘され低用量経口避妊薬,黄体ホルモン剤を経口投与されたが症状は改善せず,MRIにて子宮留血腫を伴う右非交通性副角子宮と右卵巣子宮内膜症性嚢胞が疑われたため当科に紹介受診した.超音波検査で右腎欠損が指摘された.腹腔鏡では右側副角子宮,右内膜症性嚢胞,腫大した右卵管を認めた.子宮,右付属器,大網および腸管の癒着がみられた.腹腔鏡下右非交通性副角子宮切除,右卵巣嚢胞摘出および右卵管切除を施行した.通水検査では左卵管の疎通性を認めたが副角への漏出は認めなかった.大網・腸管の癒着を剥離し,卵巣嚢胞摘出術と右卵管切除術を施行した.副角と対側子宮角との結合が強いため対側子宮角筋層の損傷を最小限とするためモノポーラー電気メスで副角側筋層に切開を加え円錐状に副角切除を行うcoring-type resectionを行い,切除面を2層連続縫合した.現在術後経過良好である.非交通性副角子宮に対する腹腔鏡下副角子宮切除術は有効な治療として近年普及しつつある.本症例のように副角と対側子宮角の結合が強い場合において,副角側筋層に切開を加え円錐状に副角切除を行うcoring-type resectionは対側子宮角筋層の損傷を最小限としつつ,副角の内膜組織を除去することができる手技として優れていると考えられた.〔産婦の進歩73(3):334-339,2021(令和3年8月)〕</p>

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