松果体の1種類の光受容タンパク質が出力する色情報

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  • Color opponency generated with photoreception by two states of a bistable opsin in the zebrafish pineal organ.
  • ショウカタイ ノ 1シュルイ ノ ヒカリ ジュヨウ タンパクシツ ガ シュツリョク スル シキジョウホウ

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抄録

<p>多くの動物は環境情報を得るために光を受容し視覚に利用する。ヒトの場合,眼で捉えることのできる光の波長の範囲はおよそ400-800 nmで,その波長を識別する,いわゆる色覚を有することが知られる。色覚は,複数の波長の光が別々の光受容細胞に発現する特定の波長に感度が高い光受容タンパク質(オプシン)によりキャッチされ,さらに光受容細胞が得た光情報を,それ以降の神経細胞が演算することによって達成される。したがって,これまで波長感受性の異なる複数のオプシンの存在が色情報の出力に必須と考えられてきた。一方で,脊椎動物の中には,眼外光受容器官である松果体で,視覚とは異なる非視覚の“色”情報を出力するものが知られている。著者らのグループは,この色情報出力に関わるオプシンとしてパラピノプシンと呼ばれる松果体のUV オプシンを同定した。さらに,パラピノプシンに双安定性という分子特性を見出し,それが単一の光受容細胞で,1種類のオプシンによる色情報検出を可能にしていることを明らかにした。本稿では,脊椎動物の眼とは大きく異なる松果体の色情報出力機構を,眼の色情報出力に関する知見を交えながら紹介する。</p>

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