甲状軟骨形成術2型の再手術において開大幅2.0mm以下にする工夫

  • 三浦 怜央
    日本大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
  • 中村 一博
    日本大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
  • 鈴木 啓誉
    日本大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
  • 大島 猛史
    日本大学医学部 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Revision Type 2 Thyroplasty to Reduce Dilatation Width to Less than 2.0 mm
  • コウジョウナン コツ ケイセイ ジュツ 2ガタ ノ サイシュジュツ ニ オイテ カイオオハバ 2.0mm イカ ニ スル クフウ

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抄録

<p>内転型痙攣性発声障害(AdSD)とは甲状披裂筋を責任筋とする局所ジストニアとされており,チタンブリッジ(TB)を用いた甲状軟骨形成術2型(TP2)の有用性が報告されている。TBの最小開大幅は2.0mmであり,2個挿置が推奨される。TP2後,声量不足を訴え,再手術を施行した症例を経験した。症例は30歳代女性,AdSDの診断で前医にて201X年にTP2を施行され,2.0mmのTBを2個挿置された。術後,声が小さいことを主訴として,201X+3年に当科にて再手術を施行した。術中所見で尾側のTBには異常は認められなかった。頭側のTBは左右の羽部の孔で破損していたが,開大幅2.0mmは維持されていた。両方のTBを抜去後,音声の悪化を確認した。尾側のみ開大幅2.0mmのTBを挿置すると,開大幅は尾側2.0mm,前連合部約1.5mm,頭側約1.0mmとなった。Mora法0/21,G0,声量は増大し,術後14カ月維持している。2個挿置が基本であるTBだが,尾側のみ開大幅2.0mmのTBを挿置することにより,製品最小開大幅2.0mm以下の開大幅とすることが可能であった。1個挿置は推奨されないが,本症例のごとく開大幅2.0mmでも過剰の際は,試すべき一手法と考えた。</p>

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参考文献 (7)*注記

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