肺扁平上皮癌に対してニボルマブの長期投与後に発症した再発性多発軟骨炎の1例

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タイトル別名
  • A Case of Relapsing Polychondritis After Long-term Administration of Nivolumab in Lung Squamous Cell Carcinoma

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抄録

<p>背景.免疫チェックポイント阻害薬による多様な免疫関連有害事象(irAE)が各種悪性腫瘍で報告されているが,再発性多発軟骨炎は稀である.症例.61歳男性.肺扁平上皮癌(cT2bN3M0,cStage IIIB),PD-L1 >90%(22C3抗体)と診断し,Pembrolizumabを6コース投与し,PRとなった.左難治性気胸で治療中断後,2nd-lineでCarboplatin+Nab-paclitaxelを投与し,その後3rd-lineでNivolumabを29コース投与しPRであったが,前胸部の肋骨の自発痛と仰臥位での呼吸困難が出現した.腹部CTや消化管内視鏡では異常を認めなかったが,FDG-PET/CTでの気管周囲や肋軟骨,鼻中隔に沿ったFDGの強い集積,および造影CTでの気管壁肥厚を認めた.肋軟骨生検でリンパ球浸潤と肉芽反応を認め,再発性多発軟骨炎と診断した.ステロイド治療を開始後,気管壁肥厚や自覚症状は改善し,経過観察中である.結論.NivolumabのirAEと考えられる稀な再発性多発軟骨炎を経験した.FDG-PET/CTが疾患の発見に有用であった.</p>

収録刊行物

  • 肺癌

    肺癌 61 (4), 315-321, 2021-08-20

    特定非営利活動法人 日本肺癌学会

参考文献 (9)*注記

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