農地市場における農地中間管理機構の効果と課題

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タイトル別名
  • Effects and issues of establishment of the farmland re-distribution iustitutions
  • 農地市場における農地中間管理機構の効果と課題 : 秋田県を事例に
  • ノウチ シジョウ ニ オケル ノウチ チュウカン カンリ キコウ ノ コウカ ト カダイ : アキタケン オ ジレイ ニ
  • -秋田県を事例に-

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説明

<p>本報告は,秋田県を事例に農地中間管理機構による農地流動化において,取引費用を誰が負担しているかを明らかにするとともに,農地中間管理事業が農地市場にいかなる変化を与えたかを吟味することを目的としている.秋田県農地中間管理機構は,農地の集約化・連坦化に関わる業務は市町村等に委託しており,県内25の市町村のうち,市町村が業務委託先となっているところが17ともっとも多い.市町村以外では地域農業再生協議会が5,農業農村支援機構が2,農業公社が1となっている.機構はマッチングした農地しか借り受けしないため,機構の実績は業務委託先のマッチング実續に依存する仕組みになっている.そこで,経営耕地面積に占める機構利用率が県内で2番目に高く,農地中間管理機構の取り組みが活発であるX町を事例に,農地中間管理事業の取り組み実態を調査したところ,以下の点が明らかとなった.(1)行政が業務委託先となっているが,相談窓口業務,農地の確認,受け手の探索,事務手続き代行などはJAが無償で担当している.これにより,(2)出し手,受け手双方の取引費用は低減している.(3)集積協力金があるため,農地の受け手が農地の出し手の掘り起こし。働きかけが容易になっている.(4)マッチングした農地しか機構は借り受けないため,条件の悪い農地は機構を介して流動化しにくい状況にある.つまり,本制度の下では受け手がすぐに見つかるような条件のよい農地という限定条件で農地の流動化は進んでいくことが予想される。他方で, (5)機構業務委託に対する費用措置の問題も明らかとなった.</p>

収録刊行物

  • 農村経済研究

    農村経済研究 34 (1), 95-103, 2016-07-01

    東北農業経済学会

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