高効率回収ボイラー(HERB)の操業経験

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タイトル別名
  • Operation Experience of High Efficiency Recovery Boiler(HERB)
  • コウコウリツ カイシュウ ボイラー(HERB)ノ ソウギョウ ケイケン

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抄録

<p>大王製紙三島工場では今回新たに高効率回収ボイラー(アンドリッツ株式会社)を建設し,2020年7月より稼動させている。発電した電力はFIT制度で電力会社へ販売している。</p><p>今回の回収ボイラーは黒液濃縮装置で濃縮した78%濃度の黒液を更に85%まで濃縮させるHDコンセントレーター(高濃縮缶)を付属していることが特徴であり,黒液固形物量で1日当たり1,330 t燃焼出来る。HDコンセントレーターは既設黒液濃縮装置と分離し,単独での設置とした。燃焼用空気システムには多段燃焼方式を採用し,エマルジョン式黒液バーナーガンや排ガスクーラ等も備えている。また,火炉下部の腐食対策にはコンポジット管(密着二重管)を採用した。</p><p>2020年7月3日よりボイラーの営業運転を開始した。営業運転当初は燃焼調整が不十分であり,NOxが高く,また安定的なチャーベット形状を形成することが出来なかったが,燃焼を安定させて計画送電端出力を維持することを目標に調整を行い,その結果として9月以降は操業安定化が図れた。</p><p>現在では営業運転から8ヶ月が経過しようとしており,これまでは安定操業を目標に進めてきたが,今後はスメルト還元率や蒸発倍数の向上,アルカリロス低減,節水などの改善と並行して2年間の連続操業にも挑戦していきたい。</p>

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 75 (6), 510-514, 2021

    紙パルプ技術協会

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