温湿度データによるトマト灰色かび病菌の感染危険度推定

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  • Estimation of greenhouse tomato infection risk by <i>Botrytis cinerea</i> based on temperature and relative humidity
  • オン シツド データ ニ ヨル トマト ハイイロカビ ビョウキン ノ カンセン キケンド スイテイ

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抄録

<p>近年,施設園芸では気温や相対湿度を連続測定するデーターロガーとセンサーが普及している。そこで,それらのデータを利用して灰色かび病菌による感染の危険度を推定する方法を検討した。気温,相対湿度から飽和水蒸気圧,露点温度を求め,これらと灰色かび病菌の菌糸生育温度適性から導いた調整係数を構成要素として感染有効積算時間を算出した。2018年6月,トマトの栽培温室内に温湿度ロガーを設置し,気温と相対湿度を10分間隔で記録した。同時に,幼果実上に残存した花弁へ灰色かび病菌の分生子を2~3日間隔で接種し,接種花弁における本病の発生を経時的に調べた。その結果,本病の発生は,推定式から算出した直近2日間の感染有効積算時間の増減とよく一致したことから,同積算時間に基づいて感染の危険度を3段階(安全・注意・危険)で評価する指標を作成した。そこで,冬春作型のトマト栽培温室において,本病の自然発生条件下で発病と感染有効積算時間との関係について調べたところ,3回目の危険判定から3日後に初発生が確認された。以上の結果から,本推定式により施設内の灰色かび病菌による感染の危険性を早期に把握することが可能であると考えられた。</p>

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