周囲条件の有無が色の恒常性に与える影響
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of environmental conditions on color constancy
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説明
<p>照明が異なった環境でも,物体の色や明るさを正しく安定して知覚できる能力のことを色の恒常性という.これは,視覚メカニズムが,視界の様々な情報から照明色の手がかりを得ることにより,照明色の変化を補正して物体の色を知覚するためと考えられている.色の恒常性の研究は多くあるが,実際の照明空間における物体の立体情報および周囲条件が与える影響については十分に検討されていない.そこで,本研究は,3次元実空間に対して,立体的な物体の色の恒常性において,周囲条件の有無が与える影響を明らかにすることを目的とする.実験では,色温度6500K,2800K,Greenの計3色の照明と,4種類の形状に対して,それぞれ8色分の刺激を準備した.周囲の手掛かりの有無として,真っ黒の背景上に刺激を呈示する,周囲の手掛かりのない場合と,白色で立体形状もしくは平面の物体を周囲の手がかりとして用いた場合の計3条件を用いた.結果より,黒体放射軌跡に沿った自然な照明色どうしの方が,Greenの不自然な照明色より,色の恒常性が働くことがわかった.また,白色物体の手がかりがある場合,特に同じ形状の物体が隣に存在する場合,色の恒常性は働きやすくなる可能性が示唆された.</p>
収録刊行物
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- 日本色彩学会誌
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日本色彩学会誌 44 (3+), 23-, 2020-07-01
一般社団法人 日本色彩学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390007827784233984
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- NII論文ID
- 130008084929
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- ISSN
- 2189552X
- 03899357
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可