公共図書館の選書業務の実態からみた選書ツールの位置づけ

  • 木下 朋美
    筑波大学大学院図書館情報メディア研究科図書館情報メディア専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Sources for resource selection in public libraries
  • Analysis of interviews with librarians
  • 図書館員へのインタビュー調査を手がかりに

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説明

【目的】本研究の目的は,選書ツールの例として株式会社図書館流通センター(TRC)の『週刊新刊全点案内』およびTRC MARCや物流・納品サービスを取り上げ,公共図書館が選書業務の中にTRCの『週刊新刊全点案内』およびTRCのサービスをどのように位置づけているかを明らかにすることである。【方法】調査手法には半構造化インタビューを用い,1時間30分~2時間30分程度のインタビュー調査を行なった。調査対象は関東地方のX県にある市立図書館の中央館4館と町立図書館2館である。調査時期は2010年11月19日~11月30日である。質問項目は予算規模および職員数,司書および図書館員の経験年数や勤務継続可能性,図書館の周辺環境や周辺地域の住民構成・利用者の世代構成,選書方法・選書体制,TRCの『週刊新刊全点案内』の位置づけ,選書への障害とその対応の6項目を大枠として設定し,図書館員に質問した。【結果】調査の結果,図書館の規模の大小に関わらず,公共図書館は『週刊新刊全点案内』やTOOLiなどのTRCの選書ツールを最も重要視して選書業務を行なっていることが明らかになった。しかし,そうではあっても,どの図書館においても『週刊新刊全点案内』以外のツールを補助的に使用して多角的な視点から情報を集めて選書に取り組んでいることも明らかになった。予算の減少傾向や人員不足が選書業務に対する障害として挙げられている中で,『週刊新刊全点案内』やTRCのツールを使用することで少ない労力で選書を行なうことが可能となっている。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390007902980694016
  • DOI
    10.46895/lis.78.1
  • ISSN
    03734447
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • OpenAIRE
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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