ロボット支援下内視鏡手術に特有と思われる術後出血の一例

書誌事項

タイトル別名
  • Postoperative bleeding specific to robot-assisted lung resection: A case report

この論文をさがす

抄録

<p>ロボット支援内視鏡下(以下RATS)肺葉切除が2018年4月に保険収載された.その手術件数は増加しているが,合併症についての報告は少ない.今回RATS肺葉切除に特有と思われる術後合併症(出血)を経験した.症例は54歳の男性.RATS右下葉切除+ND2a-1を実施したが,術後6時間後に多量出血による急性循環不全を生じた.再開胸すると椎体前面の肋間動脈より出血を認め止血した.出血の原因は,モニター視野外で術者左手のロボット鉗子と椎体とが接触したことと考えられた.まずCO2送気のため縦隔が通常より奥深くなっていた.近接視野で#7リンパ節郭清を実施したため,視野外でロボット鉗子が椎体を圧迫していたが触覚がないためこれを認識できなかった.その結果肋間動脈を損傷していた.更にCO2送気に伴う加圧により術中に出血が抑制されていたため遅発性出血となった.RATS実施においては従来の手術とは異なる特徴を理解することが重要である.</p>

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ