終末期がん患者のせん妄に対するアセナピン舌下錠の使用調査

  • 仲野 宏紀
    独立行政法人国立病院機構大阪医療センター薬剤部 独立行政法人国立病院機構姫路医療センター薬剤部
  • 明石 直子
    独立行政法人国立病院機構姫路医療センター薬剤部
  • 和田 知未
    大阪鉄道病院緩和ケア内科
  • 井出 恭子
    独立行政法人国立病院機構大阪医療センター看護部
  • 井上 敦介
    独立行政法人国立病院機構大阪医療センター薬剤部
  • 宮部 貴識
    独立行政法人国立病院機構大阪医療センター薬剤部
  • 山内 一恭
    独立行政法人国立病院機構大阪医療センター薬剤部

書誌事項

タイトル別名
  • Off-label Medication Use of Asenapine Sublingual Tablets for Agitated Delirium in Cancer Patients at the End of Life

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説明

<p>せん妄は終末期がん患者の30〜40%に合併し,死亡直前は患者の90%がせん妄状態にあるとされるが,治療抵抗性で,嚥下困難や静脈確保困難により薬物投与経路が制限される場合も多い.今回,終末期がん患者のせん妄に対しアセナピン舌下錠の使用を経験したので報告する.緩和ケアチームが介入し,アセナピン舌下錠を投与した患者6名を対象とした.アセナピンは,せん妄による不穏に対し,他の抗精神病薬が無効あるいは使用できないために選択され,明らかな有害事象なく一定の鎮静効果を認めた.全例が嚥下あるいは呼吸機能障害のために,制御困難な呼吸困難や窒息感を合併していた.アセナピン舌下錠は,内服や静脈確保困難な終末期せん妄患者において,せん妄による不穏制御の選択肢の一つになりうると考える.</p>

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参考文献 (12)*注記

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