エベロリムス併用プロトコルは移植腎間質線維化を抑制できるか

DOI
  • 齋藤 拓郎
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 齋藤 満
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 山本 竜平
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 提箸 隆一郎
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 嘉島 相輝
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 小泉 淳
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 奈良 健平
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 沼倉 一幸
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 成田 伸太郎
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座
  • 佐藤 滋
    秋田大学医学部附属病院 腎疾患先端医療センター
  • 羽渕 友則
    秋田大学大学院医学系研究科 腎泌尿器科学講座

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抄録

<p>【目的】移植腎間質線維化/尿細管萎縮(IF/TA)は移植腎廃絶の大きな要因である。当院では2013年10月から、エベロリムス(EVR)を移植2週後からadd onしTac及びMMFを減量するプロトコルを採用。移植成績やIF/TAについて従来プロトコルと比較・検討した。【対象と方法】対象は2011年1月から2017年12月までに当院で腎移植を施行した104例。画像解析装置(WinROOF2015)を用いて移植腎皮質線維化の間質占有率(IFR)を測定し、0hr生検標本でのIFRを基準として移植1年時点でのその増生率を算出。両群間で移植成績を比較・検討し、移植腎間質線維増生の危険因子について解析。【結果】移植1年時点での拒絶発症率、移植腎機能、生着率は両群で差を認めなかったが、EVR群ではウイルス感染が有意に高かった(p=0.001)。IFR増生率はリツキシマブ非投与群(p=0.037)、CYP3A5 non-expresser群(p=0.027)、ウイルス感染あり群(p=0.019)、EVR非投与群(p < 0.001)で有意に高く、多変量解析ではEVR非投与群(p< 0.001)はIFR増生率の独立した危険因子であった。【結論】EVR併用プロトコルは従来プロトコルよりIFR増生率が有意に少なく、EVRは移植腎間質の線維増生を抑制する可能性がある。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 55 (Supplement), 357_2-357_2, 2020

    一般社団法人 日本移植学会

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