抗血液型抗体価のリバウンド現象と急性抗体関連型拒絶反応との関連性

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抄録

<p>【背景】Rituximab時代でのABO血液型不適合腎移植(ABOI-KT)における抗血液型抗体価のリバウンド現象の臨床的意義は明らかとされていない。【対象・方法】2005年11月から2019年3月までに当院でRituximab投与後にABOI-KTを施行した70例を対象とした。術直前の目標抗体価をIgG/IgMとも32倍以下に設定し、抗体除去療法は1~4回施行した。抗体除去療法後に抗体価がbaselineまで再上昇した場合、リバウンド現象有りと定義した。【結果】リバウンド現象は20例(29%;リバウンド群)で認められ、また移植後1ヶ月以内のABMR発症例は10例(14%)であった。リバウンド現象はbaseline抗体価64倍以上例(p = 0.001)と抗A抗体例(p = 0.016)で有意に発生頻度が高かった。Baselineや移植直前の抗体価とABMRとの関連性は認められなかったが、リバウンド群では7例(35%)にABMRがみられ、非リバウンド群(50例)と比較して有意にその頻度が高く(p = 0.004)、多変量解析ではリバウンド現象がABMRの独立した危険因子であった(p= 0.003)。【結語】リバウンド現象はABMR発症の危険因子であり、ABOI-KTでは目標抗体価の達成の可否のみならず、リバウンド現象の有無にも注目すべきと考える。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 55 (Supplement), 309_1-309_1, 2020

    一般社団法人 日本移植学会

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