データ収集方法によるニホンザル加害群の遊動域推定の違いとオープン・シェア化による保全管理の可能性

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タイトル別名
  • Differences in the home range of crop-raiding troops of Japanese macaques by data collection methods and the possibility of conservation management by open sharing

抄録

<p>人々の住環境を利用するニホンザル群(以下,加害群)の被害管理及び保全には,当該地域に生息する群れ数と遊動域等の分布情報がまず必要になる.遊動域は,直接観察かGPSを用いて特定することができるが,どちらも労力と時間を必要とする.直接観察を用いた遊動域推定は,熟達した研究者が行うことが前提となってきたが,保全管理が必要な地域に必ずしも熟達した研究者がいるわけではない.現在,ニホンザル群のおおまかな分布情報は出没カレンダー等を用いて明らかになってきているが,より正確な群れの遊動情報を収集・蓄積する方法論の開発が各地域個体群の保全を考える上で急務である.そこで本研究では,2010年からサル監視員を雇用し加害群の分布調査を行なってきた兵庫県丹波篠山市の事例に着目する.サル監視員とGPSによる調査を行っていたニホンザルC 群を対象に,サル監視員とGPSのデータを用いた遊動域推定を比較し,遊動域の差がより少ない観察点数を算出した.これらの結果をふまえて,加害群の遊動域推定手法を考察する.サル監視員のように被害対策のために追い払いやパトロールを行う人員は各地で雇用されているが,群れの位置情報を記録していない場合も多い.現場人員が位置情報を記録し,遊動情報をオープン・シェア化することで,ニホンザルの地域個体群の保全に資するデータとなることが期待される.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390007989538536576
  • NII論文ID
    130008091053
  • DOI
    10.14907/primate.37.0_33_2
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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