擬双子?出産前後のニホンザルのメスによる綿密なアロマザリング行動2事例

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タイトル別名
  • Fake twins? Two cases of intensive allomaternal care by female Japanese macaques before and after their own partum

抄録

<p>アロマザリング行動は、霊長類で広く見られる。これまでに様々なアロマザリング行動のレパートリーや、養母となる個体の特徴が報告されてきたものの、アロマザリング行動を引き起こす社会的・生理的要因については、未だに不明である。本発表では、ニホンザルのメスによる綿密なアロマザリング行動2 事例の詳細について報告する。2事例は異なる個体群で観察され、運搬、毛づくろい、授乳などの養育行動が観察された。2事例のアロマザリング行動は、養母の出産の20日あるいは29日前に開始し、最大84日間継続した。本研究では、ニホンザルのメスがアロマザリング行動として授乳を行うこと、出産直前の個体が養母になり得ることが初めて示された。これらの行動が生起した要因としては、餌付けによって養母の栄養状態が良好であったこと、出産直前であるため養母の養育行動関連ホルモンの濃度が上昇していたこと、養子の生物学的母親が消失していた可能性が考えられる。本事例は、霊長類のアロマザリング行動が生起する背景を理解する上で重要である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390007989539301504
  • NII論文ID
    130008091087
  • DOI
    10.14907/primate.37.0_41_1
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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