P2-29 光反応性保護基を用いたprotoaculeine B の合成研究

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • P2-29 Synthetic Study on Protoaculeine B Using Photoremovable Protecting Group

抄録

【序論】 Protoaculeine B (pACU-B, Fig. 1, 1) 1) は、沖縄産の海綿Axinyssa aculeataより単離されたペプチドaculeine B (ACU-B) 2) のN末端部分構造で、tryptophan由来と推定されるヘテロ三環性骨格に1,3-propanediamineの12-15量体ポリマーが縮合した構造を有している。ACU-Bは強い溶血作用を持つほか、培養がん細胞に対し毒性を示し、それが長鎖ポリアミン部 (long-chain polyamine, LCPA) と細胞表面分子との特異的な相互作用に基づくことが示唆されており、新たなメカニズムに基づく抗がん剤の開発やドラッグデリバリーの観点から興味深い。 本研究では、ACU-Bの機能解析を進めるため、その部分構造に相当するpACU-Bおよび類縁体の全合成に取り組んでいる。すでにそのヘテロ三環性骨格の構築法については確立し、第57回の本討論会にて報告したが3)、LCPAの合成法やヘテロ三環性フラグメントとの縮合法については、検討の初期段階において複数の問題点を明らかにするにとどまっていた。今回、それらの解決に成功し、propanediamineモノマーを有する2や、三環性骨格のみを有するdesLCPA analog 3 などの類縁体合成と予備的活性評価の実施、さらにpACU-Bの完全保護体の合成に成功したので報告する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008057582945664
  • NII論文ID
    130008092891
  • DOI
    10.24496/tennenyuki.60.0_661-666
  • ISSN
    24331856
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ