P2-1 Gymnocin-Bの合成研究

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タイトル別名
  • P2-1 Synthetic study of gymnocin-B

抄録

【序論】 Gymnocin-B (1)1)は赤潮渦鞭毛藻Karenia mikimotoiから単離構造決定された、マウス白血病細胞P388に対する細胞毒性(IC¬50 = 1.7 g/mL) を有するポリ環状エーテル海洋天然物である。A環からO環まで連なる巨大な梯子状構造が一番の特徴で、その15個というエーテル環の連続縮環数は世界で第2番目の長大さを誇る。我々は、これまでに長大なポリ環状エーテルの合成手法として、オキシラニルアニオン収束合成法を確立し2)、同手法の反復利用による14環性ポリ環状エーテルgymnocin-Aを全合成している3)。Gymnocin-Bは、gymonocin-Aよりも縮環エーテル数が1つ多いだけでなく、1)核間メチル基を持つ5-7員環システムのAB環、2)7-7員環システムを持つGH環、3)水酸基と核間メチルが連続した7-6員環システムのJK環、4)シン-2,7-ジメチルオキセパンであるO環など、gymnocin-Aとは異なる合成が難しいエーテル環システムが存在しており、より挑戦的な合成ターゲットである。  オキシラニルアニオン法を用いて合成の最終段階でEF環部位とJK環部位の構築を行うようにgymnocin-Bを逆合成し、ABCD, GHI, LMNOの3つのフラグメント2-4に分割した(Scheme 1)。こうすることで、問題となるAB, GH, O環部位を3つのフラグメントに分散でき、それぞれの合成を平行して効率的に検討することができる。今回、ABCDおよびGHIフラグメントの合成を達成し、LMNOフラグメント合成の鍵となるO環部位の構築法を開発することに成功した。合わせて、右二つのフラグメント連結時に問題となるJK環部位の構築法を確立したので報告する。 Scheme 1. Gymnocin-Bの逆合成解析

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390008057583720576
  • NII論文ID
    130008092905
  • DOI
    10.24496/tennenyuki.60.0_493-498
  • ISSN
    24331856
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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