受動喫煙を防止するための効果的な呼吸用保護具のフィルタの検討

  • 保利 一
    産業医科大学産業保健学部作業環境計測制御学
  • 石田尾 徹
    産業医科大学産業保健学部作業環境計測制御学
  • 樋上 光雄
    産業医科大学産業保健学部作業環境計測制御学
  • 山本 忍
    産業医科大学産業保健学部作業環境計測制御学

書誌事項

タイトル別名
  • Performance of Respirator Cartridges and Dust Filters for Protecting Passive Smoking
  • ジュドウ キツエン オ ボウシ スル タメ ノ コウカテキ ナ コキュウヨウ ホゴグ ノ フィルタ ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

<p>清掃作業のため喫煙室等に入って働く作業者や喫煙可能な飲食店等で働く作業者の受動喫煙を防止する方法としては,作業環境管理上の対策が困難であることから,呼吸用保護具の活用が有効と考えられる.しかしながら,現在使用されている呼吸用保護具がたばこ煙に有効であるか否かは検討されていない.そこで,防じんマスク,防毒マスクの吸収缶および新たに開発した極性と非極性の性質を有する両親媒性吸着材のたばこ煙に対する捕集特性を調べた.その結果,粉じんについては,現在の区分RL2,DS2以上の防じんマスク用フィルタであれば,98%以上捕集できることが認められた.ガス状物質については,防じんマスクではほとんど捕集できないが,活性炭素繊維入り防じんマスクは若干ではあるが捕集することが認められた.一方,有機ガス用防毒マスク吸収缶は有機物質をかなり捕集できること,また活性炭とセピオライトを7:3で配合した両親媒性吸着材およびホルムアルデヒド用吸収缶では,アルデヒド類やアセトンをほぼ捕集できることが示された.また,活性炭入り防じんマスクは低沸点の揮発性有機化合物(VOC)はほとんど除去できなかったが,ベンゾ[a]ピレンやニコチンは98%以上捕集できることが示された.ただし,臭気については,防じんマスク用フィルタはほとんど効果がないこと,また,防毒マスク吸収缶でも50%程度以下しか除去することができないことがわかった.</p>

収録刊行物

  • 労働安全衛生研究

    労働安全衛生研究 14 (2), 97-107, 2021-09-30

    独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所

参考文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ