パラメディカル学生にとって特に興味関心の深い人体解剖学的構造の評価および多領域間における興味関心の違いに関する比較検討~解剖見学実習の学習効率向上を目指して~

  • 坂本 昇
    千葉大学大学院医学研究院環境生命医学 城西国際大学福祉総合学部理学療法学科
  • 宮宗 秀伸
    東京医科大学医学科人体構造学分野 千葉大学予防医学センター 国際医療福祉大学医学部解剖学
  • 小宮山 政敏
    千葉大学大学院看護学研究科生体看護学
  • 菅田 陽太
    千葉大学大学院医学研究院環境生命医学
  • 森 千里
    千葉大学大学院医学研究院環境生命医学 千葉大学予防医学センター
  • 清水 栄司
    千葉大学大学院医学研究院認知行動生理学
  • 松野 義晴
    千葉大学予防医学センター 国際医療福祉大学成田キャンパス基礎医学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Differences in the interest in human body structures among paramedics from various specialized fields: Development of an effective anatomical instruction

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説明

<p>医師、歯科医師、パラメディカル(コ・メディカル)を含むすべての医療従事者にとって、人体の構造を学ぶ解剖学は重要な学問である。パラメディカルの学生にとって、解剖見学実習は人体構造を学ぶ上で有益であるが、一般的にはその機会は制限されている。ここで、物事に関する興味・関心は教育における重要な変数であり、例えば興味・関心と成績の間には正の相関があることが報告されている。本研究では、解剖見学実習に参加した看護師、鍼灸師、薬剤師、理学療法士・作業療法士、栄養士、救急救命士の各養成校の学生に対してアンケート調査を実施し、人体の解剖学的構造において特に興味・関心を有する部位の調査を行った。2013年7月から2016年3月の間に、千葉大学医学部において解剖見学実習に参加したパラメディカル学生878人を調査対象とした。解析結果は、1)特に学生にとって興味のある器官系は神経系(6領域全て)、循環器系(看護師、鍼灸師、薬剤師、栄養士、救急救命士)、消化器系(看護師、薬剤師、栄養士、救急救命士)、骨筋系(鍼灸師および理学療法士・作業療法士)であったこと、2)これらの器官系について、特に興味のある器官系構成要素は各専門領域間で異なっていたこと、3)神経系と循環器系は、看護領域の専門学校学生1年生と2年生の両方にとって、特に興味のある器官系であったこと、4)両器官系において特に興味のある器官系構成要素は1年生と2年生の間で異なり、しかしながら「脳」は神経系において両学年にとって特に興味のある器官系要素であったことを示した。これらの各パラメディカル領域における学生の興味・関心の違いは、今後、各領域の専門性に特化した解剖学の教育方法を構築していくにあたり、重要な知見となるものと思われる。</p>

収録刊行物

  • 形態・機能

    形態・機能 20 (1), 19-32, 2021

    コ・メディカル形態機能学会

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