粒界構造の積極的利用によるCHA膜のCO2選択性向上メカニズム

書誌事項

タイトル別名
  • Enhancement of CO2 Selectivity in CHA Type Zeolite Membrane by Controlling a Grain Boundary
  • リュウカイ コウゾウ ノ セッキョクテキ リヨウ ニ ヨル CHAマク ノ CO ₂ センタク セイコウ ジョウ メカニズム

この論文をさがす

説明

CH4の動的分子径に近い細孔径を有するCHA型ゼオライト膜は,天然ガスからのCO2分離膜として有望視されているが,製膜に伴う結晶粒界が実用化の課題と考えられている。しかしながら,ゼオライト膜中の粒界が1 nm以下の場合,細孔内でのCO2凝縮によってCO2分離性能が向上する可能性がある。本稿では,粒界を導入したCHAの膜モデルを作成し,非平衡分子動力学法を用いることで,粒界の存在がCO2/CH4系の分離性能に及ぼす影響を評価した。その結果,膜内部に粒界が存在するとき,粒界にCO2が凝縮することでCH4の透過が阻害され,CHA本来の性能よりも高いCO2選択性が得られることを見出した。この結果は粒界を積極的に制御することで,高圧などの条件下で完全結晶の膜よりもCO2選択性が高い膜を開発できることを示唆している。

収録刊行物

  • ゼオライト

    ゼオライト 38 (4), 110-118, 2021-10-15

    一般社団法人日本ゼオライト学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ