室傍核ダイノルフィンAニューロンは泌乳ラットにおけるLHパルス抑制を仲介する
書誌事項
- タイトル別名
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- Paraventricular dynorphin A neurons mediate the suppression of LH pulse in lactating rats
抄録
<p>【目的】泌乳期において生殖機能は抑制される。これは吸乳刺激により,生殖中枢である弓状核キスペプチンニューロンにおけるキスペプチン遺伝子の抑制,ひいては性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)/性腺刺激ホルモンのパルス状分泌が抑制されることに起因する。本研究では,泌乳によるGnRH/黄体形成ホルモン(LH)のパルス状分泌の抑制におけるダイノルフィンA(Dyn)ニューロンの役割を明らかにすることを目的とした。【方法】分娩後に卵巣除去および低濃度17β-エストラジオール処置を施した泌乳ラットを用い,泌乳16日目の泌乳ラットの第3脳室内にDyn受容体拮抗剤を投与し,血漿LH濃度を測定した。また,泌乳ラットから24時間乳仔を離した後,乳仔を戻し吸乳刺激を1時間与えた泌乳ラット(再吸乳刺激負荷ラット)から脳を採取し,脳切片を用いて二重in situ hybridizationによりDyn遺伝子とニューロン活性化マーカーであるc-Fos遺伝子の共発現を検討した。【結果および考察】Dyn受容体拮抗剤の脳内投与により,泌乳ラットにおけるLHパルス抑制が解除されたことから,吸乳刺激によるLHパルス抑制は,Dyn受容体により仲介されることが示唆された。さらに再吸乳刺激負荷ラットにおいて,視床下部室傍核のDyn遺伝子とc-Fos遺伝子の共発現細胞数が,対照群(吸乳刺激なし)に比べ有意に増加したことから,吸乳刺激は室傍核のDynニューロンを活性化することが示唆された。また以前の研究により,弓状核キスペプチンニューロンの多くにDyn受容体が発現することを明らかにしている。以上の結果から,泌乳期には室傍核を起始核とするDynニューロンが活性化され,Dynが弓状核キスペプチンニューロンを直接抑制することにより,GnRH/LH分泌が抑制され,生殖機能が抑制されることが示唆された。</p>
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 114 (0), OR-26-OR-26, 2021
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390008222264221312
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- NII論文ID
- 130008103795
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可