子どもの不安は親から受け継がれることもある?~脳内DNAメチル化と不安/恐怖記憶との関連について~
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- 松澤 大輔
- 千葉大学大学院医学研究院子どものこころの発達教育研究センター
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説明
<p>遺伝子DNAが出生後もエピジェネティックな修飾を受けて発現調節されることが注目されている.DNAメチル化はその1つであり,脳内神経組織のDNAメチル化も様々な外部刺激により後天的に変化がもたらされることが知られてきた.近年では精神疾患においてもその影響を示唆する研究が相次いでいるが,不安や恐怖の記憶が症状に関わる不安症関連精神疾患ではエピジェネティックな現象の関与について現在でも知見は多くない.本稿では,不安関連精神疾患で発症脆弱性や治療抵抗性を示す背景へのDNAメチル化の関与を,筆者の教室で得られた結果を紹介しながら論じたい.精神疾患におけるエピジェネティックな機構は,ストレス応答の変化など獲得した行動の次世代への継承にも役割を果たしている可能性もあり,今回そうした可能性を示唆する結果も得られたので紹介する.</p>
収録刊行物
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- 子どものこころと脳の発達
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子どものこころと脳の発達 12 (1), 64-70, 2021
大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390008233236010112
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- NII論文ID
- 130008104079
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- ISSN
- 24358819
- 21851417
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可